Finn Juhl　(フィン・ユール)

本来、オールラウンドな建築家として教育を受けながらも、インテリアデザイナーとしての認知度が高く「家具の彫刻家」とも呼ばれる彼は、1912年にデンマークのコペンハーゲンに生まれた。
1934年にデンマーク王立学校を卒業後、1935年建築家ヴィヘルム・ラオリッツェンの事務所に勤務する。1940年には、スネーカーマスター(家具職人に与えられる最高位の称号)ニールス・ヴォッターと共同で「ペリカンチェア」を発表。ペリカンが翼を広げるイメージを基に作られたそのチェアは、芸術家ハンス・アンプなどの彫刻家からヒントを得て作られたとも言われており、その座り心地は独特の安心感に包まれる。その後、「世界で最も美しいアームを持つチェア」として称されるチェア「No.45」を発表。そのデザインは、なめらかな曲線と独創的なアームを持っており、シートがフレームから浮いて見える革新的なもの。デザイナーと家具職人のチェアのデザインに対する果てしない研鑽は、この「No.45」から始まったと言われる程の名作となっている。
生誕100年のイベントが開かれる程、多くのデザイナー達から賞賛を受け、美しさと良質な使用感から感動を生んだ彼のヴィンテージ品は、人気が高く高値で取引されています。